医薬用語シソーラス辞書 T辞書
T辞書は、各辞書の目的に合わせた整理体系化された医薬辞書群です。企業内システムへの組み込み、情報検索サービスでの利用など、さまざまな状況での利用に対応したアレンジができます。辞書データには、優先語、上位語、下位語、同義語などの階層構造を持たせ、用語選択の利便性の向上を実現しています。
シソーラスとは
シソーラス辞書とは、同義語・類義語だけでなく用語間の階層関係を取り入れた辞書です。シソーラスによって、システム上での活用度が大幅に向上します。たとえば、情報検索の網羅性を飛躍的に向上させることができ、更に、用語の相互関連や位置づけが把握しやすくなり、用語の理解や文書作成に威力を発揮します。当社の主力製品である『T辞書』はシソーラスに基づいて開発されています。
なぜシソーラス辞書が必要なのか
人により日常的に使われている言葉は、その営みと共に変化し続けています。例えば10年前と現在では、ある言葉は使われなくなり、ある言葉は別の表現に置き換えられ、またある言葉はその概念自体が新しく生まれたりしています。インターネットの発達と共に私たちは膨大な量の情報を手にしていますが、そこに記載されている情報は、情報発信者の時間・空間・知識等、様々な要因により表現が異なります。
近年全文検索技術の発展は目を見張るものがあり、欲しい情報を瞬時に手に入れられるようになってきました。しかしながら、人の営みと共に変化し続けている言葉に対し、十分に対応できているとは必ずしも言えないのが現状です。
この問題を解決する方法として、シソーラス辞書の活用が挙げられます。シソーラス辞書を活用すると、検索語を同じ概念を持った用語に展開して検索することができ、時間・空間・知識を超え、より網羅性の高い検索ができるようになります。
T辞書の特長
シソーラスは特定のデータベースを検索することを目的とすることが多く、医薬系ではMeSHや医中誌Webのシソーラスなどが有名です。これらのシソーラスは対象とするデータベースに付与されたキーワードを体系化して整理したもので利用範囲が限られます。T辞書はこれら特定のデータベースを対象にしたシソーラスとは異なり、汎用的に利用できるシソーラスを目指し開発されたもので、社内情報データベースやインターネットの情報検索等、幅広い用途でご利用になれます。また用語の更新を定期的に行なっており最新の医薬用語を採択しています。
T辞書の構造
T辞書は「同義語の集大成」と、「階層的体系化」という2つの概念に基づいて編集されています。
- 用語に上下関係が定義されています
- 用語にヨミ、英語、説明が付与されています
- 同義語が豊富に収載されています
- 準同義語、英語、略語、同音異表記語も収載されています
シソーラスのメリット
表記のゆれを吸収
医学用語は難しい漢字が多く、人により漢字を使ったり平仮名を使ったり、様々です。T辞書には表記のゆれに対応するため、漢字表記とかな表記が同義語として定義されています。
例:骨粗しょう症 ⇔ 骨粗鬆症
コンピュータ断層撮影 ⇔ コンピューター断層撮影
リウマチ ⇔ リューマチ ⇔ リュウマチ
ミオパチー ⇔ ミオパシー
用語の変化に対応
医学用語は時が経つと呼び方が変わることがあります。しかし文書に記載されている用語は、記載当時の用語が使われているのが通例です。T辞書には時が経つと呼び方が変わる用語が同義語として定義されています。
例:痴呆症 ⇒ 認知症
精神分裂病 ⇒ 統合失調症
インシュリン ⇒ インスリン
著者と検索者のギャップを埋める
著者が用いた用語と検索者が選んたキーワードが一致しないことが良くあります。T辞書を使い同義語展開を行えば、より網羅性が高い検索ができ、このギャップを埋めることができます。
例:肝臓病 ⇔ 肝疾患 かゆみ ⇔ そう痒 寒気 ⇔ 悪寒
日本語と英語を同時に検索
学術文献は英語で書かれたものが多数存在します。通常の検索では日本語と英語を併用した検索が必要ですが、T辞書を使うと日本語と英語が同時に検索できます。
例:脳梗塞 ⇔ cerebral infarction
めまい ⇔ dizziness
シソーラス辞書導入事例
社内情報活用度向上
医薬品情報は社内外のグローバルな手段で取得した文献情報と社内作成情報とが一括して管理されることが多いと思います。これらの膨大な情報を一元管理するのには全文検索エンジンの導入が欠かせません。このとき、膨大な情報から適切な資料を効率よく抽出するには医学、薬学の専門用語辞書が 重要な役割を果たします。
T辞書は、表記のゆれや用語の変化をうまく吸収するために類義語や同義語を利用した「もれの少ない検索」を可能にします。全文検索エンジンとT辞書を組み合わせることで、求める情報を確実にヒットさせるために最適なシステムが構築できます。
社内用語体系の構築
「社内のシステムを統一する必要から、共有できる医学、薬学の専門用語集の構築が求められています。しかし、部門(事業本部)ごとの用語辞書はあっても共通辞書がないため、多領域に渡る社内用語の編集に苦慮しています。」
このようなご相談も少なくありません。弊社ではT辞書をカスタマイズした自社用語集の構築を請け負っております。
医療用語のリファレンス
MRやMSの方が医療施設を訪問すると、自社のみならず他社の医薬品情報に接する機会が数多くみられます。医師の会話からのちょっとした疑問、例えば聞いたことのない病名や副作用名を後で調べようと思ってもなかなか手が回りません。T辞書を使いオンライン版医療用語辞書を構築すれば、携帯しているPCやスマートフォンを使い疑問を直ちに解決でき、MRやMSの知識向上に役立ちます。
検索機能強化
インターネットや会員向けサービスに全文検索機能が付加されることは一般的になっています。しかし、医療関係のコンテンツに関しては、通常の全文検索だけでは網羅性の高い検索を実現するには限界があります。T辞書を使うことで、よりユーザビリティの高い情報検索サイトを構築することが可能になります。
戦略的情報活用
くすり相談室、お客様相談室、MRやMSの訪問情報、市場調査アンケートなど医師、薬剤師、患者、一般消費者などからの膨大な量の情報が毎日得られます。これらの情報からテキストマイニングを行う場合に、テキスト情報に不規則に含まれる表記のゆれや同義語を統一し、より深いレベルの意味や内容を抽出することができるようになります。情報を的確なものとするために、医薬系専門のT辞書の導入をお薦めします。